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スラムドックはかく生きる
少年が冒頭もしくは劇中で走る姿が美しい映画であまりハズレを引いた記憶がない。自分が観たそのような映画の本数、その分母自体が大した事ないという噂もあるが、結構確信を持っている。
「大人はわかってくれない」、「シティ・オブ・ゴッド」、「グーニーズ」、「サムサッカー」etc…
「トレイン・スポッティング」のファーストカットで走ってくるレントンは観てるだけで心拍数が上がるし、「GO」のグレートチキンレースで電車を背中にしょってカメラに突っ込んでくる杉原は痛快としか言いようが無い。学生服姿の杉原を追いかけてくる電車は『大人の社会』『迫る旅立ち』のメタファーなんじゃないかな。
「スラムドック〜」を観た朝。ふとこんな事を考えた。
そういえば自分が日本で一番愛してるドラマ、「あいくるしい」は神木君とその仲間達(虹色の戦士)が空に架かる七色の虹に向かって走っていく、というオープニングクレジットから始まる。この美しいオープニングクレジットを観る度に毎回毎回、馬鹿みたいに泣けてくる・・・何故なら虹色の戦士は病気で死期が近い「幌」(神木君)の母親の為に走っているのだから。
そう。
子供はいつの時代でも、世界中どこであっても、何かを守るため、愛する人のために走る。
通勤電車に乗り遅れない様に。突然降り出した雨で一張羅のスーツが濡れない様に。
そんな事のために少年は走らない。
「生きるために、愛する人を救うために」走る走る走る。スラム上がりの汚い世界で生きてきたジャマール。右も左も汚い大人に囲まれ端から端まで白い部分を塗り潰される。それでも誰よりもクレバーな頭で、タフなソウルで、ピュアな心で駆け抜けた先に、きっと愛するラティカが待ってる・・・
走らないと死んでしまう。そんなスラム育ちの負け犬が、ひたすら走って走って大人に噛み付いた瞬間、
思わず拍手の奇跡が待ってる。
